現代では色褪せてしまっている国宝級の日本美術を、デジタル画像処理によって鮮やかに色彩復元し、それらをプリントアウトの上にもとにあった形状に作成。簡易的にできたレプリカを「触って」楽しむ、新しい鑑賞法です。つまり、 【制作された当時の色を、制作された当時と同じ方法(環境)で鑑賞する】 ことにこだわって日本美術を楽しむこと、その講座のことを「賞道」といいます。
デジタル復元は、学芸員の資格もある鑑賞学者の小林泰三の手によって、調査研究を重ねてできるだけ元来の姿を再現しように行われています。長年培った画像処理のノウハウと、これまでにアーカイブしてきた色彩のデータベースによって、時には有識者の意見を聞きながら完成させています。 そのクオリティーはデジタルと言えどもいにしえの色彩世界を体現し得る高度なものであり、それ自体がアート作品でもあります。さらには「触れることを前提にしたアート作品」と言えるでしょう。
いにしえの色彩世界を展開しているさまざまな復元アート作品を触りながら、じっくりと「賞道」を体験してみませんか? 例え頭でその色彩を想像できても、デジタル画像をパソコンで眺めてみても、日本美術作品を正しく鑑賞することにはなりません。なぜなら、それら作品たちは、「触って操作する」ことによって、はじめて本当の物語を語るように構成されているからです。 「賞道」だから分かる、いにしえの美に対する姿勢とものの見方…。日常を豊かに変えるヒントが見つかるかもしれません。