今年も彩色!「昭和の地下鉄」銀座編、公開。
昨年のちょうど同じころ、地下鉄銀座線の開通当時の白黒写真をカラー化し、その成果が東京メトロの車内で公開されました。その様子は、
喧騒という文化 – 小林美術科学 (kobabi.com)
という記事で紹介しています。
乗客の皆様にも、また東京メトロの方々にも大変好評だったようで、今年も依頼がありました。去年の「浅草編の銀座線」に続き、「銀座編の丸ノ内線」です。
丸ノ内線の開業は1954年(昭和29年)。前回の銀座線開業1927年(昭和2年)に比べると、私が生まれたころの昭和の雰囲気が色濃くなってきているイメージです。復元した写真は昭和30年代ですから、私でもノスタルジーを感じられる空気が、そこにはあります。
丸ノ内線の車両を飾る独特のデザインは、私の記憶に色濃く残っています。凸型レンズを連ねたようなラインは、早く動くと、膨らんだり萎んだり見えて、それが面白くて飽きずに見ていました。
今回の復元で特筆すべきことは、ちょっとだけAIを使ってみたところ。まずは、Photoshopに搭載されているAIでカラー化してみると、下の図のようになりました。
これでは全然だめです。なので、ちょっと安心しました。
でも、使える部分も確かにあります。全体のトーンというかニュアンスを出すのが非常にうまいのです。空気感と言いましょうか、白黒だった空気に、適当でも昭和の空気の色を差しているような……。
ざっくりと使用するには、選択肢としてアリなようです。(写真によっては、うまく行かないときもありました)
反対に、AIが苦手な、デザインという統計学では導き出せない部分は、人間がちゃんと調べて彩色します。個性的なデザイン的なところは、AIはまだまだできません。それぞれの人間に個性を持たせるような描写もできません。なので、私の出番はまだありました。
完成品はこちらです。
こんな駅長さんやどこかのお偉いさん、それとこんな駅、どこかで見たことあるな~、というのが、成功の基準です。
そういう意味では、もうこれは見たことあるな~ではなく、経験もしている風景。でもよく見てみると、女性のコートや一升瓶の木製ケースなど、時代を感じさせるものがしっかりとあります。そんなのを見るとなぜかわくわくしてくる……。
カラー化によって、見る人の心も彩られるって、本当に不思議です。
「Time Train~東京の地下で、時間の旅がはじまる~」
企画:一般社団法人共同通信社/株式会社共同通信イメージズ
協力:株式会社メトロアドエージェンシー
https://vimeo.com/898271804/fafd5b608e?share=copy
1月29日まで東京メトロの車両ビジョンにてカラー化写真を使用したCMが流れています。もしかするとそれ以降も放送される可能性があります。
ご覧の画像をふくめ、カラー化画像はダウンロードできます。よろしかったら、以下のURLからどうぞ。
TOPページ – 「Time Train」画像ダウンロードサイト (time-train.jp)