楽しいひと時でした

ちょっと前になります。
3月22日、下北沢の本屋B&Bにて、いとうせいこうさんと「はじめから国宝、なんてないのだ。」のトークショーをしてまいりました。
せいこうさんとは、5年ぶりくらいになりますでしょうか。WOWOWでシリーズで放送されていました「美術のゲノム」という、日本美術のデジタル復元を通して新しい体感をしようという番組でお会いして、そんな機会を7回ほど重ねた後、一度、構成作家の東野さんと3人で食事をさせていただいた以来でした。

やはりせいこうさんとのお話は、ひたすら楽しい。それにつきます。
どんなボールを投げても、確実にキャッチして、また取りやすいところに投げ返してくださるので、時間が経つのがあっという間でした。

トークはこんな感じ。(ボケボケの画像なので掲載、許してくれないかな。だめならすぐ取り下げます。)
この模様は、課金でオンラインでも配信され、遠くから楽しんでいた方もたくさんいらっしゃいました。そんな時代なんですね。
それと、もう7,8年前になりますが、東京でデジタル復元アートを使った新鑑賞ワークショップ「賞道」で、その魅力にはまってくれた同胞たちも多数来てくれて、当時を懐かしながら「またやりましょう」と盛り上がったのも、うれしかったなぁ。

トークの最後の方で、「はじめから国宝、なんてないのだ。」の精神を、さらに一歩進めた、「国宝ポテンシャル」なるものを紹介しました。
これは、今の美術史の先生方の評価が高いから、国宝や重要文化財だから、歴史的価値が高いから、ということではなく、現代人にとってその美術品が価値があるか、デジタル時代に向いているか、商業的に使える価値があるのに今は使われていない、という価値観で順位をつけてみたもので、(小林独自のアルゴリズムなので、かなりいい加減)見てみると、とても面白い結果に。

せいこうさんが、次体験したいとおっしゃっていたのが、加古川のほとりにある浄土寺の阿弥陀三尊立像。このお堂には仕掛けがあって、西日の赤い光線が入ってくると、三尊が赤く染まり、まるで来迎のために浮遊して来ているように見えるのです。
「バーチャルで、どんどん作っちゃえばいいんですよ」とせいこうさん。無茶をいいながら励ましてくださいました。

そんなこんなで、昔を懐かしく思うだけでなく、大いに未来も感じさせる、実に有意義な時間でした。