こどもにはこどもの賞道

こどもの時から大人の社会に向けて発信し、その可能性を伸ばそうと活動を展開する「キッズM」さんは、主婦目線に立って毎回企画を立てています。
今回そのお眼鏡に適ったと申していいのでしょうか、あるいは伝承プロジェクトでお世話になっているiDenさんが上手く勧めて下さったのでしょう、夏休みに展開する重大なプロジェクトに、私を選んでくださいました。





「プロといっしょにミュージアムをつくる仕事をしよう!」と題したプログラム。
作品を作って、展示して、お客様に見ていただこう、という一連の流れを体感してもらいます。
と言って普通通りにやっても、それでは私がやる意味はありませんし、面白くもありません。
ここは、「賞道」をちょこっと体感してもらいます。





まずは、酷暑の中、ちょっとだけ涼んでもらうために、ぞぞぞ!となる「地獄草紙」を体感してもらいます・・・
あれ、さっきまで元気よく話していた子が、「怖い!」と言って、画面を見ません。
それでもいいんです。無理に見て、トラウマになってはいけません。(;^_^A




「怖かったら、見なくてもいいですよ~♪ 手だけ動かして下さい」




とにかく触ってもらうことが目的なのです。日本美術は、触ってこそ、それを体感してもらうことから始まります。
そんなことを言いながら、きゃっきゃと早くもにぎやかです。




「ね、日本美術は触って楽しむ『道具』でした。それをもっと体感してもらいます。それでは2階に上がりましょう!」




2階に上がって待っていたのは、高さ1.5m、幅3.5mある屏風が二隻。ドドーンと結構な迫力です。





もうそれだけで、こどもたちはテンションが上がります。
私が春、夏、秋、冬、と屏風の間をぐるぐるとめぐり始めると、いつしか、ついてきたこどもたちが走り始め、鬼ごっこが始まりました。





そうなると私も男の子ふたりいる父親です、厳しく叱りつける・・・のではなく、いっしょになって追いかけます!
「こら~! まて~!!」
もう、ドタドタ、キャーキャーの大騒ぎ!
下の階で待っていたお父さん、お母さんは何事かと、驚いていたそうです。(でも、それが高評価につながりました)




屏風の後ろに隠れたり、出るときにはドアのように開いたり。
もうこどもたちは、屏風を道具として器用に使いこなしています。つまりは「遊び道具」として。すごいですね!
きっと屏風たちも喜んでいることでしょう。




さて、一連のプチ賞道の体験が終わって、いよいよ作品の計画を立ててもらいます。
私が出した条件は一つだけ。
「触れる作品を作ってください」





早速作業に入るこどもたち。
それぞれの感性で、どんどんと面白いものを考え出していきます。
いや~、本当に完成が楽しみです。





こどもたちが作業をしている間は、キッズMさんが対応してくださいますから、その間に、お越しいただいたお父さん、お母さんにも屏風体験をしていただきました。
これができて、本当によかった。
ああ、日本美術って面白いな、って親も分かってくれたら、こどもにどんどん勧めたくなりますものね。




アンケートで、私のこどもに対する接し方に高い評価をいただきました。
それが何よりもうれしい。
こどもにはこどもの賞道、やはり狙い通り、素晴らしい効果がありそうです。


これからの夏休みの間に計画した作品を実際に作り、8月後半の土日の「展示会」へと進みます。

奈良の賞道は一味違って




梅雨入りまじかの初夏を通り越して真夏のような天候の奈良にて、関西賞道が本格的に始まりました。
題材は「山越阿弥陀図屏風」。場所は猿沢の池の裏にあります旅館松前です。
書家でいらっしゃる女将さんが、すばらしい書で案内を表に出して下さり、感動です。





なんだかんだ言って、久しぶりの賞道、久しぶりの作品、そして初めての奈良です。
はじめのうちはさぐりさぐりやっていたためか、緊張はしていないのですがどこか自分でもぎこちない感じでした。





「山越阿弥陀図屏風」は、西の彼方にあった極楽浄土から阿弥陀仏が来迎する様が描かれ、山の向こうから巨大な阿弥陀仏が顔を出しているので「山越え」です。
これは高僧が臨終をむかえ北枕で身を横たえたとき、西にこの屏風を配置します。
仏の眉間には穴があいていて、そこに水晶の球をはめ、西からの夕日を後ろから照らし、光るようにします。
そして、仏の手から出ている五色の糸を、横たえた方の合掌する手に巻きつけ、仏とのさらなる一体感を演出します……
と説明しながら、皆様に実際に身を横たえて臨場感を体感していただきました。(他にも仕掛けがあるのですが、ここでは割愛)





もちろん、照明を落として蝋燭の灯りで陰影礼讃の意味合いも説明しながら、一通り最後の方の体感も終わりまで来ました。
そして終わろうとしたときに、
「ちょっとお聞きしてもいいですか?」
と声が上がりました。
いけない、いけない、質疑応答を忘れておりました。




「下の四天王のうち一人だけ(広目天)が正面を見ていますけど、これはどういう意味ですか?」





あれ、そんなこと考えたことなかったぞ。中世の西洋画なら自画像を群衆に紛れ込ませて、カメラ目線にさせる表現はありますが……。
そんなことなんとなく呟きながら悩んでいると、別の方から質問です。




「臨終の高僧は、本当に身を横たえていたのですか?」




またも、鋭い質問です。改めてそんなことは考えたことがなかったのです。私の見てきた複数の本は、イラスト付きでそう書いてあったので頭から信じていました。
でも、言われて、あっ、と思うことはあったのです。




「実は、スライドで説明した『早来迎』では、迎えられる高僧が座って待っています。もしかしたら、座って念仏を唱えながら待っていたかもしれませんね」





と私が答えると、さらにこんな声が。




「即身仏のミイラは座っていますものね」




おお~、なるほど! だんだん賞道らしくなってきました!
では、屏風に向かって万真ん中に座ってみてみましょう。





そうすると、実にバランスがいい。
寝ていると正面からずれて見上げているので、眉間からの光線を直接浴びることができなかったり、五色の糸もちょっと斜めになって合掌の手に結ばれてしまいますが、正面に座すと光線はまっすぐに目に入るし、五色の糸もまっすぐ自分の手に収まります。一体感が強まるというか、包まれ感が増大したのです。




さらに気が付いたことが。
両脇に書かれている菩薩たちは、屏風の角を手前に折れたところに大きめに描かれているのですが、座して視線がより高くなったおかげで、菩薩たちが一番近くなり、目の前に向かってきている迫力がもうすごいことに!





さらにさらに気が付いてしまいました。




「あれ、この視線は、すでに魂は宙に浮かんで、菩薩の掲げる蓮台に向かっているのかもしれない!」




これはなんという立体感!浮遊感!




そうなると、下に描かれた四天王や童子たちは、地上にいるので小さく見える。
そして問題の広目天は、宙に上がった魂を見つめているのです。
参りました。
魂が阿弥陀仏へ飛んでいく目線で描いているなんて、どんなにバーチャルなんですか!
昔の人の想像力には、ただただ圧倒されます。
(写真を撮るのを忘れて熱中しておりました。またの機会に、実際に体感しにいらしてください(;^_^A)





結局、色々と教わったのは私の方でした。
賞道では、私は題材と機会を提供するのであって、実は参加者が色々と話し合いながら本当の鑑賞方法を探っていくものです。
そういう意味では、いきなり高度な賞道体験をしていただけたようで(させていただいたので?)、それはもう最高でした。

「賞道のいろは」@向島百花園

東京ではご無沙汰しておりました賞道は、より一般の方を対象に「賞道のいろは」として活動再開です。
まず初めは6月16日(土)、墨田区の向島百花園にて開かれます。
Facebookのイベントとしてはこちら「賞道のいろは」6/16 Facebookイベントページにございます。
まもなく出来上がるチラシはこんな感じになっております。

お問い合わせは、合同会社ダイスコネクティング
メール:info_cng@dice.co.jp
電話: 03-5542-0231

「賞道のすすめ」@旅館松前 in 奈良

来る6月2日(土)に、初夏の奈良にて、「賞道のすすめ」を開催いたします。
まだ馴染みのない関西での開催は、そのときのご縁と、場所の状況や色々なタイミングを見計らい、柔軟に対応しながら進行しておりますので、定期的に同じ場所での開催という形を取らなかったり、告知がなかなかできなかったりしております。
今回も一部の方には「高松塚古墳壁画」の予定と申し上げておりましたが、運搬や作品使用状況の関係から「山越阿弥陀図屏風」に変更することとなりました。どうぞご了承ください。





と申しましても、この「山越阿弥陀図屏風」は、いわば賞道にとっては「テッパン」です。
世界最大級の寺社フェス「向源」や、浅草・緑泉寺の「国宝をべたべた触ろう」シリーズでも登場して大好評を博し、「賞道」が大きく発展を遂げるきっかけとなった作品です。





前回は氷室神社の「ひむろしらゆきサロン」にて「賞道のいろは」的な初お目見えバージョンで開催しましたが、今回の「山越阿弥陀図屏風」からいよいよ「賞道のすすめ」として、具体的な一作品をじっくりと掘り下げて参ります。
平安時代末期の不安な情勢の中で、必死に阿弥陀様に救いを求めていた人々。色々な「仕掛け」によって、まるで本当に阿弥陀様が極楽浄土へ連れてってくださるような体験ができる「山越阿弥陀図屏風」は、いわば「平安のVR装置」だったのです。
さて、人々はどのように極楽浄土へ旅立っていったのでしょうか。ぜひ体感してみて下さい。



(Officia NARA Travel Guide より)


会場は、興福寺近くの「猿沢の池」の裏手にある「旅館 松前」。
旅館と言いながらも数多くの文化サロン的なワークショップを開催して、文化発信の拠点としても地元でよく知られています。
それほど遠くないところに、お世話になっているヒライソウスケさんのウワサのかき氷のお店「ほうせき箱」があります。立ち寄ってから楽しくお勉強もお勧めです。




「賞道のすすめ 山越阿弥陀図屏風」
日時:6月2日(土)15:00~16:30(開場14:45)
会場:「旅館 松前」 奈良市東寺林町28-1 (Tel:0742-22-3686)
料金:3,000円
お申込み:旅館松前へ直接電話いただくか、
     小林美術科学へのメール(info@kobabi.com)よりお申込み下さい。

奈良、初賞道はしっとりと

満開を迎えた奈良の「第35回ひむろしらゆきサロン」にて、お話をして参りました。





「ひむろしらゆきサロン」は、奈良の氷室神社で主に毎月1日に行われる「氷献灯」の際に開かれ、桜の季節には山村流の日本舞踊も奉納されます。
私も絵馬に「賞道が広まりますように」と書き、その上に中までくり抜いた一辺15cmくらいの立方体の氷を置いて、火をつけたロウソクを中にそっと置きます。
その後、宮司さんが祝詞をあげて下さいます。
氷の中でゆらゆらと光る柔らかい灯り。初めは表面に霜がついて曇って見えますが、もっとすると透明になるそうです。





さて、いよいよ講演です。関西で、しかも日本文化の礎を築いた古都にて、新しい賞道がどれほど人々に響くのか、いつもとは違う緊張感に包まれます。
今回は、賞道のご紹介もあって、三つのパートに分けて広く浅くの初級編。





まずは奈良の地元のこともありましたので、「東大寺大仏殿」当初の極彩色世界を紹介しながら、「昔はどんなに派手だったか」のお話です。
次に「平治物語絵巻 六波羅合戦巻」で、そのレプリカに触っていただき、「触って楽しむのが日本美術」と言う体感をしていただきました。
最後に北九州、博多で開催して間がない幸運もあって、「花下遊楽図屏風」を持ち込むことができました。そして、それを電灯のついた真っ白な状態と、ロウソクの灯りで柔らかく赤く染まった状態を比較していただきながら、絵の中に広がる花の宴の世界に浸っていただきました。つまり「暗い中でこそ美しい日本美術」と締めくくったのでした。





最後のロウソクの灯りは、氷室神社の燭台をお借りしたのですが、さすがに雰囲気いいですね。
高さもいつもより高いので、画中の人々の顔よりも、桜に光が当たります。まるで夜桜を見ているようで、夢心地になってしまうほどです。





みなさんやはり驚かれていました。
「目からウロコをでした」
と言う、いつものキャッチコピーの言葉もいただきましたし、
「文化財の修復や復元に、新たな選択肢」
と、鑑賞の先を見通されてのご感想もいただきました。





ホント来なければわからない。
来れば、物の見方がちょっと変わる。
それは、日本文化を毎日直に触れている奈良の方々にも、感じていただけました。




大盛況のうちに終わりつつ、そのまま山村若女さん、山村若瑞さんによる日本舞踊が奉納されました。
舞うお姿を見た瞬間、「あ、動く屏風だ」と思いました。深い理由はなく、ただそう思ったのです。
ひとつひとつの姿が、絵になっている……。
揺らめく灯りの中で、動きの中に絵を見るのと、絵の中に動きを見るのと、なんと似ていることか!





舞の後、山村若女さんとお話ができ、
「見ている方と、いっしょに世界を作っていく」
とおっしゃっていたことにはびっくり。
正に賞道と同じ。伝統芸能で毎日精進されている方と、毎日パソコンで過去の絵師の話を紡ぐ私が同じ見方感じ方をするのとに、この上ない感動を覚えます。そしてそこに日本文化の真髄があると確信します。
すっかり気持ちが通じ合って、何かご一緒に致しましょう、ってほどの盛り上がりに。きっと何か企画します。お楽しみに。





心の中も春風が通ったような爽やかに気持ちになりました。
ふと見ると境内を後にするころでも氷献灯の氷は、しっかりと溶けずにありました。
そしてガラスのように透明になって、改めて日本人の灯りに対する想いの深さを教えてくれていました。

今年は違った、八幡&博多「知れば知るほど3」

「知れば知るほど面白い、日本美術の秘密」シリーズも第3回を迎え、今回は3月24日八幡、25日博多にてやって参りました。
このタイトルは、北九州と博多でやる場合のタイトルで、いつも応援して下さるこのイベントのプロデューサー高坂圭さんが名付け親。
「国宝をべたべた触ろう」も好きですが、このタイトルもかなり気に入っています。





今回はこの高坂圭さんのフェイスブックの記事「ピンチです!人数が足りません」というショッキングな言葉から始まりました。
後から聞いてみれば「多少ショッキングな言葉を投げかけて、『本当にこんな機会を逃していいのか?』という問いかけをした」という意味もあったそうです。
裏を返せば、体感する美術、実感のある美術解説にそこまで惚れ込んでいただている……。本当にありがたく、感謝の気持ちを新たに致しました。





結果的には、二会場とも好評だった前回を上回る人数の方々にお越しいただき、大成功!
いや、人数が多いから大成功というのではなく、皆様に体感する日本美術の本当の面白さを楽しんでいただけたからでした。
初日は、昨年もお世話になりました永明寺で、荘厳な雰囲気と作品がよくマッチしています。




今回は、前回とちょっと違っていました。
皆様の、鑑賞への積極性がより強まったような気がします。日本美術はこちらから働きかけて、絵の中に飛び込んでいく、というお話がいよいよ浸透し始めているのを感じました。
どうでしょう、この熱気ムンムンな密度の濃い鑑賞風景。





「これほど実際に体感してみないと面白さが分からないイベントも珍しい」
という感想をおっしゃったのは、前回の「地獄草紙」を体感してからファンになって下さった”デンタル復元師”のCozyさん。

「これまで見てきた日本美術は何だったのだろう。見方が180度変わりました」
とは、初めていらっしゃったKさん(女性)。





翌日、博多の桜坂観山荘でもそうです。
どうでしょう、この画面への食いつき方!多少、お酒は入っているとはいえ、ここまでやっていただけるとは!
この写真を見て、フェイスブックのコメントには、

「やばいっす。エンターテイメントです!」
「いい写真!賞道とは何か、の見本として宣伝に使えるナイスな一枚ですね。」

とコメントをいただきました。正しくその通りです。




しかし、ここまで来るのには「知れば知るほど」の前にも開催した講演を含め、5回講演を続けてきた結果です。それもまだ道半ばというか、まだ折り返し地点にも到達しておりません。
なおさら全国展開をする中で初めて開催する地では本当に苦労するとは思いますが、諦めずに地道に頑張ろうと思います。
本当に体感しないと分からない、だけど分かってしまうと最高に楽しいイベントです。
もしお近くで「賞道」が開かれるようでしたら、ぜひお越しください。その日を境に、目に映る風景が変わります。

大阪、北九州、博多から「賞道」の一年が始まります!

大変長らくお待たせいたしました。
いよいよ「賞道」が始まります!




まずはじめは関西「賞道のすすめ」です。
3月20日(火)19:00~20:30(開場18:45) 大阪 谷六ヴィレッジ。
そう、昨年末「醍醐の花見の屏風を復元したい!」のクラウドファンディングを達成し、大阪鑑賞会を開催した会場です。





谷六ヴィレッジのサイト




第一回目「掛け軸」で、東京「賞道のすすめ」で大好評だった、復元「黄不動」をご披露いたします!
大きな掛け軸で、その迫力に注目です。まるで、パーマを当てたばかりのおかんの怒る立ち姿が、ロウソクの灯りでどのように変わるか、どうぞその目で確かめてください。





そして、実際にその手で掛け軸をかけてみましょう。
こんな体験めったにできるものではありません。でも、触ると分かる視線の動きの秘密があるのです。
触らないと分からない日本美術の面白さを、やっと関西の皆さんにお伝えできるのを本当に楽しみにしております。




【第一回「掛け軸」@谷六ヴィレッジは事情により中止になりました。お詫び申し上げます。】








そして、その次は、一年に一回のペースで開催しております、北九州&博多の特別プログラム「知れば知るほど面白い 日本美術の秘密」、今回は第3回目を迎えます。





小石川大正住宅の東京鑑賞会、谷六ヴィレッジの大阪鑑賞会の様子を見て、ざわついた北九州の方々。
ロウソクの灯りに浮かび上がる「花下遊楽図屏風」の姿を見て、いつもプロデュースして下さる高坂さんが、このネタをリクエストされたのでした。
いつもは夏に開かれていた講演会を、桜の季節に前倒ししてデジタル復元した「花下遊楽図屏風」と淀殿の打掛のネタを急きょ開催することに!
本当に、うれしいですね。ワクワクします。




こちらのお申し込みは、高坂圭さんのメール(keiwritter@herb.ocn.ne.jp)か、電話093-661‐5585までご連絡の上、
・3月25日(土)北九州市八幡東区川淵町3-23 永明寺 (18:30開演) (上の画像はこちら永明寺のご案内です)
・3月26日(日)福岡市中央区谷1-3-20 桜坂観山荘 (18:30開演) (桜坂観山荘サイト「醍醐の花見を体験イベント」案内で、桜坂観山荘でのご案内がございます)
のどちらかのご出席かをお知らせください。




関西の「賞道のすすめ」は、その都度場所を変更する予定です。
第2回は奈良を検討しております。ちょっと遠出になるので、その場合は休日も検討したいと思っております。
どうぞ、お楽しみに。
あ、東京「賞道」は、「賞道のいろは」と「賞道のこころ」という新プログラムを計画中です。もう少しでお知らせできると思います。
こちらももう少々お待ちくださいませ。

「松右衛門」立ち上げと、早速の商品販売

やっとお知らせすることができました。
賞道のすべてが遅れてご迷惑をおかけしている理由のひとつとして、
新ブランド「松右衛門(まつえもん)」の立ち上げと商品開発がありました。

色々と詳しいことは、随時サイトにアップしていくとして、
まずはこんな商品です。

●「風神」A4サイズ(21x30cm)
タッセル付・・・7,500円
タッセル無・・・6,000円
●「花下遊楽」A4サイズ(21x30cm)
タッセル付・・・7,500円
タッセル無・・・6,000円
●「風神」A3サイズ(30x42cm)
タッセル付・・・30,000円
タッセル無・・・20,000円
●「花下遊楽」A3サイズ(30x42cm)
タッセル付・・・30,000円
タッセル無・・・20,000円

実はもう販売がゆるりと始まっていることをお知らせいたします。
昨日16日から18日までの三日間、新潟伊勢丹にて、
(新潟三越とお知らせしてしまいました。お詫びして訂正いたします)
インテリア茶箱に添えられたアイテムとして販売されています。
しかもあの知る人ぞ知るセレブの丹青会での展示です。
すでに「売れた」との情報も耳に入って参りました。幸先いいようです。


さらに、予定では3月7日~20日と割と長めに新宿伊勢丹にて、
インテリア茶箱とのセットとして展示され(別売りもOK)販売されます。
こちらはしっかりとお知らせします。
どうぞ、ご期待ください。

インテリア茶箱についてはこちら。
インテリア茶箱クラブ

通販も検討しておりますが、まずは百貨店での反応を見ながら、
よりよいサービスを目指したいと思っております。
その間に、当サイトにて商品のコンセプトや新情報などをアップいたします。
もう少々お待ちくださいませ。

豪華な勉強会で賞道の更なる可能性

ちょっと前になりますが、1月21日、千葉県の医療財団法人「明生会」の新年祝賀会にて、講演をして参りました。お客様をお迎えする祝賀会の前の、明生会グループの勉強会でしたが、それでも200名くらいいらっしゃったので、なかなかの壮観。



場所はホテルニューオータニ幕張の大広間。高校で700名を前にお話ししたことはありましたが、豪華な会場で着飾った大人200名は、また別の迫力がありました。



さらにいつもと勝手が違うのは、巨大スクリーンにカメラからの映像が映し出されること。さすが盛大な結婚式も行われるホテルです、専属のカメラマン(動画の)もいて、屏風に近づいて効果的な映像をスクリーンに映し出すわけです。これなら大人数でも屏風の前で座って見上げる視線で、鑑賞できます。
いつも30人が限界だった賞道の体感は、こういう形で大人数にもアピールできるのですね。思ってはいましたが、図らずも今回実現できて、大変いい経験になりました。




今回、クラウドファンディングの達成で作った「花下遊楽図屏風 右隻」とそこに描かれた貴婦人が羽織っている打掛を実際の着物に復元した「綸子地藤文様刺繍小袖」を持参して、本当の日本美術の面白さをお話ししました。
ただ、暗闇の中ではカメラも上手く機能しないので、いや、正確に申しますと、カメラが上手く機能しすぎて、暗い中でも明るく映し出すために「暗い中で徐々に立ち現れる美しさ」は、実際に見ないと分かりません。



その問題をクリアするために、身長150㎝くらいの女性にご協力いただいて、打掛を羽織って舞台の中央に立っていただきました。そして、会場の灯りを最大限暗くして、電気スタンド一本でその立ち姿を浮かび上がらせます。(その時の様子は、女性のプライバシー保護のため、掲載できません)
着物は淀殿が羽織っていたとするものです。会場を大阪城の大広間に見立てれば、遠く遠く奥にいる淀殿の立ち姿がいかなる視覚効果があったかを、これもそのまま大勢の方々に見ていただくことができます。
スクリーンに映し出さずとも、「陰翳礼讃」の体感もしていただけたことで、また一ついい経験ができました。

と申しましても気になるのが、聞いていただい方々が医療に携わっているということ。美術に興味があって聞きに来た、あるいは友達に勧められて来た、とはちょっと事情が違います。例年はやはり医療に関する専門家が登壇され、担当スタッフからも「相当今年は変わっている」と言われていましたので…
皆さまどう感想を持たれたかが、非常に気になりました。



でも私にできることは、伝わることを信じて、とにかく一所懸命語り掛け続けることです。少なくても自分は後悔したくないですから。
でも、終わった後にわざわざ感想を伝えて下さる方もいらっしゃって、

「眠くなると心配していましたが、熱中して最後まで聞いていました」
「見方がガラッと変わって目からウロコでした」

などお話下さいました。
スタッフの方々も

「ときどき動きがあってよかった」
「先生は、(大人数でも)慣れていらっしゃるのですね」

と客観的な意見も好評だったので、一安心しました。
多分、リップサービスもあるでしょう。でも、後日メールでいただいた感想で、今回の成功を確信しました。



「賞道の考え方に非常に感銘を受けました。
我々医療従事者も見習うべき点が多々あると感じました。

我々は、患者さんに対し、常に医療従事者側からみた 患者像をとらえてしまいがちで
まさに、対象を ガラス越しに、展示された状態で とらえていることと同義と感じました。
先生のおっしゃるように、患者さんの訴えを 生で感じるためには
患者さんから見える風景や景色や色使いに着目すべきと思います。」

ちゃんとメッセージを受け取って下さっている。「賞道のこころ」を感じ取っていただいている。
涙が出てきました。
そうなのです。賞道は「鑑賞する」ことではないのです。物事への接し方、さらには生き方なのです。
今回は、本当に賞道の可能性を強く感じさせる、貴重な経験でした。



今年は「賞道のこころ」を伝える活動も開始したいと思い、すでに告知している賞道開催に関するスケジュールがずれ込んでおります。お詫び申し上げます。
もう少しで、新しいスケジュールを公開しますので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。
何卒、よろしくお願い申し上げます。

中国の高校生へ熱いメッセージ

大阪鑑賞会の成功を噛みしめる間もなく東京へトンボ帰りで、翌日朝から日中友好会館にて、香港澳門(マカオ)の高校生を目の前に、お話をして参りました。





今回は中国語の通訳が入るので、実質40分くらいのお話ができません。
なので、旅行日程にありました東大寺大仏殿のお話と、キラキラ綺麗な着物のお話だけにしました。





と言っても、彼らはわびさびを知らないでしょうし、金ピカの仏像に慣れてるとなると、話し方も変わってきます。
なので、日本人は無理に新しい色合い維持するのではなく、経年変化で時の移ろいの様を味わうことを大切にしていたとお話ししました。




その一方でわびさびを単に「渋い」「枯れている」という解釈だけで誤解している日本人も多く、大陸から伝わった色鮮やかな文化とつながりを忘れている人も少なくありません。
「今の日本人には、ド派手な色だった事実を知ってほしいですし、皆さんには、根源は同じでも別の価値観が存在している事実を知ってほしい」と、昨今の対立傾向にある世界情勢を匂わせつつお話ししました。





参加した高校生は200名ほどですが、同じ学校の生徒たちではなく、それぞれが各学校を代表して来日した優等生ばかりです。
なので、来日したての朝早くにもかかわらず、眠っている人がいません。皆さん、真剣に耳を傾けて下さいました。





質疑応答の時間では、予定時間いっぱいまでたくさん質問をもらいました。中でも将来を心配する高校生らしい質問で「どうして今の職業を選んだのですか?」というのがありました。
「私は、選んだのではなく、導かれるまま、今の仕事をしています。私の仕事『デジタル復元師』は、私が作りました。好きを諦めず貫くと、それが自然と職業になりました。なので皆さんも『今好きなこと』を大切にして下さい」
と、答えたのでした。





これが特に良かったようです。
無事全日程を終えて一団は帰国したのですが、担当者のメールには、
「今回のご講演は、これまで多数の団についている随行通訳からも、とても良い内容だったというコメントがありました。」
これは嬉しい。頑張った甲斐がありました。

下の写真は、香港の団長と澳門の団長(それぞれどちらかの校長先生でした)からいただいた記念品です。
とくに香港の記念品は、見た目がゴージャス。でも、これなんでしょう?ペーパーウェイト?
こんな感じ記念品、確かバブルの時の日本でもありました。そんなところから、却って中国の勢いを感じたのでした。





こんな風にして、日本人ではない方々への「show-do」のノウハウも蓄積しております。
来たるオリンピック、パラリンピックの2020に向けての準備も着々ということではないでしょうか。





その前にまずは更なる準備の2018ですね。
今年は無我夢中だった段階から、サポートしてくれる方々の輪が広がって、ちょっとだけ周りの様子が見られるようになりました。
これからも賞道、高めて参りますので、応援のほどよろしくお願い申し上げます。




恐らく、これが今年最後のブログになるかも知れません。
皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。