花魁の体温(白黒カラー化例2)
白黒のカラー化でよみがえる息吹
私の白黒写真のカラー化事業の中で、言わば「アイコン化」している作品が、この花魁(おいらん)です。
これは大正の吉原にいたと花魁とされています。
正直申しまして、白黒写真を見たときは何とも思いませんでした。もちろん風俗的な研究材料としては興味深かったのですが、写された女性にはそれほど魅了されませんでした。
花魁と言えば吉原のスターですから、もっと何か今のスターに感じるような「ときめき」は感じたいところですが、何にもありません。(すみません、ここだけは男性目線で語らせていただいております)
白黒をカラーにする以上の意味
ところが、色をさしたところ、花魁の体にあたたかい血が流れ出した途端、何かが変わりました。そしてこちらも何かを感じたのです!
紅さした唇から語られる言葉の数々を想像したり、重そうな簪(かんざし)をさしている姿を想像したりすると、ただ白黒のベールに覆われたままだった歴史的資料に載った女性像が、精一杯生きているひとりの女性として感じられるようになったのには驚きました。
白黒というものは、時には画面に抒情性を与えますが、リアルさからは引き離す効果もあるようです。
別の想像を促す、あるいは想像を停止させるような白黒のベールを引き剥がしてカラーにすると、本当の時代の空気を感じることができる……。
この女性は、カラーライズ(カラー化)の意義を気づかせてくれた、大切な方なのです。
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