賞道、念願の京都で開催

賞道、念願の京都で開催

 京都で「賞道」を開催することは、長年の夢でした。というのも、日本の伝統文化における中心地はやはり、京の都であり、「もともとの環境で鑑賞する」ことが重要である「賞道」にとって、日本中世の雰囲気を残している京の都で、復元アートを鑑賞することは重要、と思っていたからです。

 今回挑戦したのは、「鳥獣戯画 甲巻」。
 こうしてまったく新しい作品に挑戦したのは、実に久しぶりなことでした。
 4月から、コロナの影響で延期されていた「鳥獣戯画展」が、いよいよ東京国立博物館で開催されるのを前に、大いにその秘密に迫っていこう、というものです。

 もう一つ目的がありました。コロナ禍の中で、賞道を開催するために、場内での参加者を5名だけに制限、後の方々は、ツイキャス(課金制の動画配信サイト)で、ネット動画鑑賞をしていただく、と言ったような、新しい体制で開催し、その成果を確かめたかったのでした。

 来場していただいた方には、マスクはもちろん、入場の際に手を消毒して、そして座席は離して座っていただきました。
 そして、後ろからカメラ撮影、映像はzoomを通して東京へ送られ、東京・経堂の「さばのゆ」の須田さんに、事前にお渡ししている京都会場と同じスライドを話に合わせてミックスしていただきながら、ツイキャスで配信するという……
 いやぁ、すごい時代になりました!

 お話のポイントは、今の鳥獣戯画は、順番が間違っていたり、失われた場面があったり、違う話が紛れ込んでいたり、と、本当の姿を留めていないこと。
 さらに、話の長さは、今、甲巻として伝わっている長さの半分、つまり、甲巻はお話が二つ混ざっていて、それを分解すると、いわば「ショートフィルム」的な、いやもっと短い4コマ漫画風な感じなる、という解説をしました。

 来ていただいた方々には、私解釈の新構成「鳥獣戯画 甲巻1」をプレゼント。私の見立てでは、あと甲巻は、2と3もあると思います。
 今度はそれを作成して、「3部作」として、発表する場を設けたいと思っております。

 最後になりましたが、この会場は将来「西陣織アートミュージアム」へとなる、一室です。格天井や、数寄屋造りの屋根などもあって、なかなか素敵な構造をしているスペースです。
 私は、このスペースを運営する組織のコーディネートの仕事をしているのですが、この「西陣織アートミュージアム」につきましても、おいおいご説明したいと思っております。