色あせた日本美術や白黒写真画像&映像をキレイにしたり、加工したり、カラー化したり。レタッチ技術で、ライフスタイルをもっと楽しく、美しく。

2018年に国宝に指定されたばかりの「日月山水図屏風」は、河内長野の天野山金剛寺に所蔵されています。私が、この屏風を取り上げ、復元したのは10年も前、まだ重要文化財のときでした。

WOWOW「美術のゲノム 五ノ巻 ~描かれた移ろう時の秘密~」(2011年)の収録風景

それからのご縁がなぜか続いて、昨年音楽家サキタハヂメさんと出会い、大きな展開を遂げます。
今年の 9月12日(土)、13日(日)に行われた「奥河内音絵巻2020」。私にとって実に刺激的な二日間でした。コロナの影響で、3密を避けなければならない悪条件を逆手にとって、とんでもない演出がなされていました。

まずは、密を避けるために、1回公演のお客様を100名様を50名様ずつの2組に分けます。
開演前にお集まりになったお客様が50名 (A組)になった段階で、サキタさんと私が登場、歓迎のご挨拶と日月山水図世界(私の復元した、キラキラ山水の世界)へ旅立つ前の楽しむアドバイスを丁々発止楽しく致しました。
それが終わると、A組は早速鑑賞の旅へ。そのころには後のB組も集まっていますので、もう一度サキタさんと私のご案内が始まります。

つまり、会場内の広さを配慮して、来場者を半分に分け、時間をずらして距離を保ちながら鑑賞していくというわけです。

そして、A組はまず小ホールに入ります。そこにはまず、”光の切り絵師”酒井敦美さんの手掛けた色彩世界が広がります。

まるで、昔話の世界に飛び込んだような空間が広がります。
そこで、ゆらめく水面の飛び込んだり、惚けて山並みを眺めたり…。そうなのです、これが日月山水図の楽しみ方なのです。

そしていよいよ大ホールへと進みます。
なんとこの「奥河内音絵2020」は、イベントホール全体をめぐる、体験型美術展になっているのです。自分の追い求めていた美術展が、こんな形で実現するとは、感激です。

お客様は、大ホールに入っている、という感覚はありません。というのも、暗い道を案内されて出てくるところは客席ではなく、舞台だからです。
そこには、同じく酒井さんの光の切り絵の世界、四季の豊かな色彩と美しい花々が咲き乱れています。

と、その時、サキタさんが指揮するオーケストラの音楽が突然鳴り響き、おもむろに舞台の幕が開き始めます。
登場するのは、観客席。
そこに大きな大きな影絵を投射するので、立体感が増幅され、また、天井も限りなく広く高くなっているので、太陽も月も、本当に眺めているような感覚になります。
(そのような中で、私のデジタル復元「日月山水図屏風」がシンボリックに使われています)

そしてフィナーレに向けて、松は踊り、大地は揺らぎ…。

https://www.youtube.com/watch?v=lP22NF7Kk88

そして、その神々しいお姿に、度肝を抜かれ…。
https://www.youtube.com/watch?v=SAmoDczbkw0&t=35s

ここでは、本当の迫力の100分の1も伝えられていませんが、実は、まだこの迫力を体験していただく機会があります。
今回のイベントが大好評につき、来年の1月16日(土)、17日(日)の二日間、なんと本物を所蔵する天野山金剛寺にて、「金剛寺音絵巻」と題してイベントが開催されます。

この記事を読んで、体感したい!と思った方、ぜひ、金剛寺へお越しください!