《講演》美術品が本当に機能するとき

《講演》美術品が本当に機能するとき

先週の金曜日の5日、朝の6時30分に、講座を致しました。
いわゆる「朝学」です。会場は京王プラザホテル。

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主催は「東京青年医会」。医師たちの勉強会です。とは言え、医師ばかりではなく、何らかの形で医療に携わっている方、議員の方もいらっしゃいました。
「青年」というので、30代40代中堅の先生方が中心かな、という予想ははずれました。恐らく70代、80代とお見受けする先生もいらして、ちょっとピリッとした空気が張り詰めています。
名刺をいただいて更に驚きました。
半分は院長や医療グループの責任者だったりと、医師は医師でも、医師たちを取りまとめる立場の方々。
会場に入るときにあった眠気が、すっかり飛んでしまいました。



「青年」というイメージだけで、ずいぶんと呑気に構えてました…
考えてみれば、すごい会なのです。講師に招かれる方はやはり、政治、行政、医療が多いのですが、どの方もトップの方ばかり。
各方面から講師をお招きして回を重ねて1200回を優に超える伝統的な勉強会で、「朝学ブーム」などと流行りものとは全くちがうレベルです。

講師に立った方で、著名人も少なくありません。
天野祐介、竹下登、田崎真也、竹脇無我、マック赤坂、安倍晋三、海堂尊、石破茂…



でも、お気楽にいつもの通りさせていただきました。
気負っても、緊張しすぎてもいけません。ここまで来たら、自分らしさを発揮するのが一番大切ですから。
そう、オリンピック代表選手が、本番で自分らしい最高のパフォーマンスを見せる、あんな感じです。

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いつもの90分ではなく、短い60分。コンパクトに「誤解だらけの日本美術」を解説です。
お持ちしたミニチュアは、高松塚古墳、檜図、そして風神雷神図屏風。
高松塚古墳で、ちゃんと身を横にして見上げないと、つまりは体感しないと、作品のメッセージは受け取れませんよ、と解説。
檜図で、もともとの姿とは著しく違うことを踏まえ、今の日本美術鑑賞のほとんどが美術館になってますが、それでは何も伝わりません、と続けます。
そして、風神雷神図屏風に揺らぐロウソクライトだけで鑑賞し、陰翳礼讃の美学を語って解説は締めくくりました。

反応は……大成功でした!

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面白いですね〜。
まるで前日の名古屋での講座と変わりません。
美術に対するときめき、気づき。それが人の心を裸にするのかも知れません。
知識、立場、常識を超えて、ただ作品に対峙して、その世界に浸る。
美術品が本来の機能を発揮している証拠です。

ただミニチュアには限界があります。
小さいテーブルに置いても、覗き込むには膝をおらねばなりません。ご負担が大きくなります。
やはり、原寸大の前で座ったり寝転んだりと、体も楽に、そして大きさ、ダイナミックさも体で感じていただきたい。だから、賞道へ、とお誘いして終了です。



朝学ですので、朝食をいただきながら進めるのですが、後からの質問も多く、結局その場ではいただくことはできず、初めてルームサービスなるものを体験しました。
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それにしても毎週行われているこの早朝勉強会。
世の中を支え動かしている方々の、その熱い向学心と行動力、持続力には驚きました。
一見、成功を手に入れ、世の中から尊敬を集めているところばかりに目が行きがちですが、そういう結果には、それなりの根拠がやはりあるのです。

私も報いはあるかはまた別ですが、努力をしなければ、結果はでません。
まだ走り始めた私が、気をゆるめてはいけませんね。ますます頑張らねば。

この場を借りて、飯島先生(実は中学、高校の同級生)に御礼を申し上げます。