昭和41年、茅ヶ崎海岸(白黒カラー化例3)
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依頼を受けて、フィルムのカラーライズ(彩色化)をしました。
もともとは白黒フィルムではなく実はカラーフィルムなのですが、経年変化が激しく、まるで白黒フィルムのようになっていました。
舞台は、昭和41年(1966)の茅ヶ崎海岸です。
私はこの年の5月、東京に生まれます。なので見ているだけで、ちょっと胸が熱くなります。
でも劣化の激しい状態では、正月の風景といっても、それほどそれらしさが感じられませんでした。肝心の空にはあまりにも多くのホコリが付着していたからかもしれません。
そこで1コマ1コマ、丁寧にゴミをとっていきます。
すると、上空には凧か上がっていることがはっきりと見えてきました。すべてのホコリを取り除いて見てみると、凧が上げる人が糸を引っ張るとあわせて、上下に動いているのが見てとれました。
手前の着物の人々……。当時は、正月に着物着る人がまだまだたくさんいたんですね。
そして色がはっきりすると、冬らしいすがすがしくも凛とした空気と、高い澄んだ空がよみがえりました。
5秒という非常に短い時間ですが、いろんな情報が含まれているものです。
だから、やはり彩色化は価値があるのだと、確信しています。
納品したお客様は大変喜んで下さり、茅ヶ崎の人々やご家族にお見せして、今は変わりつつある海岸の在りし日の姿を伝えるために使いたいとおしゃっていました。
そのような活動の助けになると、本当にやったかいがあったというものです。