日経日曜版「美の粋」より取材いただきました。
テーマは「銀をあじわう」。つまりは、「日本美術における銀の意味」という感じでしょうか。
銀をふんだんに使った謎の国宝絵画「日月四季山水図屏風」をデジタル復元した私の作品を発見して下さり、取材していただきました。
とは言っても、日本美術における銀、ということですから、お貸ししたデジタル復元画像を掲載していただく程度かと思っておりました。
ところが、見てみるとかなりの部分を記事として割いていただいており、さらにはキーワードとして「デジタル復元」がコラムになっている!ありがたいことです。
今回の記事では、
「月は、銀地の空の上に銀で描かれている。室内の電灯光よりも、庇の深い家で横から差す自然光で見たほうが、月の輝きが魅力的に見えることも、この復元で分かった」
と、銀の巧みな使い方と表現について深く触れられていました。ただ、そのあとにお話しさせていただいた「銀は変化し、月は満ち欠け、輪廻や流転を象徴している」というところまでは書いてなかったな。
さすがに、そこまでは掘り下げられなかったのかもしれません。
しかし、「デジタル復元」のコラムで、「現代人が作品を当時と同じように体験することができることには、大きな意義がある。作品はやはり体感するものだからである。」
と、美術大の教授が一流紙に謳ってくださった意義は大きい!
大きなメディアで私の口から訴えることはあったとしても、専門家が客観的に賛同して発信していただけることはまれで、これほど励まされることはそうそうありません。