【新着】賞道、念願の京都で開催

 京都で「賞道」を開催することは、長年の夢でした。というのも、日本の伝統文化における中心地はやはり、京の都であり、「もともとの環境で鑑賞する」ことが重要である「賞道」にとって、日本中世の雰囲気を残している京の都で、復元アートを鑑賞することは重要、と思っていたからです。

 今回挑戦したのは、「鳥獣戯画 甲巻」。
 こうしてまったく新しい作品に挑戦したのは、実に久しぶりなことでした。
 4月から、コロナの影響で延期されていた「鳥獣戯画展」が、いよいよ東京国立博物館で開催されるのを前に、大いにその秘密に迫っていこう、というものです。

 もう一つ目的がありました。コロナ禍の中で、賞道を開催するために、場内での参加者を5名だけに制限、後の方々は、ツイキャス(課金制の動画配信サイト)で、ネット動画鑑賞をしていただく、と言ったような、新しい体制で開催し、その成果を確かめたかったのでした。

 来場していただいた方には、マスクはもちろん、入場の際に手を消毒して、そして座席は離して座っていただきました。
 そして、後ろからカメラ撮影、映像はzoomを通して東京へ送られ、東京・経堂の「さばのゆ」の須田さんに、事前にお渡ししている京都会場と同じスライドを話に合わせてミックスしていただきながら、ツイキャスで配信するという……
 いやぁ、すごい時代になりました!

 お話のポイントは、今の鳥獣戯画は、順番が間違っていたり、失われた場面があったり、違う話が紛れ込んでいたり、と、本当の姿を留めていないこと。
 さらに、話の長さは、今、甲巻として伝わっている長さの半分、つまり、甲巻はお話が二つ混ざっていて、それを分解すると、いわば「ショートフィルム」的な、いやもっと短い4コマ漫画風な感じなる、という解説をしました。

 来ていただいた方々には、私解釈の新構成「鳥獣戯画 甲巻1」をプレゼント。私の見立てでは、あと甲巻は、2と3もあると思います。
 今度はそれを作成して、「3部作」として、発表する場を設けたいと思っております。

 最後になりましたが、この会場は将来「西陣織アートミュージアム」へとなる、一室です。格天井や、数寄屋造りの屋根などもあって、なかなか素敵な構造をしているスペースです。
 私は、このスペースを運営する組織のコーディネートの仕事をしているのですが、この「西陣織アートミュージアム」につきましても、おいおいご説明したいと思っております。

奥河内音絵巻の圧巻

2018年に国宝に指定されたばかりの「日月山水図屏風」は、河内長野の天野山金剛寺に所蔵されています。私が、この屏風を取り上げ、復元したのは10年も前、まだ重要文化財のときでした。

WOWOW「美術のゲノム 五ノ巻 ~描かれた移ろう時の秘密~」(2011年)の収録風景

それからのご縁がなぜか続いて、昨年音楽家サキタハヂメさんと出会い、大きな展開を遂げます。
今年の 9月12日(土)、13日(日)に行われた「奥河内音絵巻2020」。私にとって実に刺激的な二日間でした。コロナの影響で、3密を避けなければならない悪条件を逆手にとって、とんでもない演出がなされていました。

まずは、密を避けるために、1回公演のお客様を100名様を50名様ずつの2組に分けます。
開演前にお集まりになったお客様が50名 (A組)になった段階で、サキタさんと私が登場、歓迎のご挨拶と日月山水図世界(私の復元した、キラキラ山水の世界)へ旅立つ前の楽しむアドバイスを丁々発止楽しく致しました。
それが終わると、A組は早速鑑賞の旅へ。そのころには後のB組も集まっていますので、もう一度サキタさんと私のご案内が始まります。

つまり、会場内の広さを配慮して、来場者を半分に分け、時間をずらして距離を保ちながら鑑賞していくというわけです。

そして、A組はまず小ホールに入ります。そこにはまず、”光の切り絵師”酒井敦美さんの手掛けた色彩世界が広がります。

まるで、昔話の世界に飛び込んだような空間が広がります。
そこで、ゆらめく水面の飛び込んだり、惚けて山並みを眺めたり…。そうなのです、これが日月山水図の楽しみ方なのです。

そしていよいよ大ホールへと進みます。
なんとこの「奥河内音絵2020」は、イベントホール全体をめぐる、体験型美術展になっているのです。自分の追い求めていた美術展が、こんな形で実現するとは、感激です。

お客様は、大ホールに入っている、という感覚はありません。というのも、暗い道を案内されて出てくるところは客席ではなく、舞台だからです。
そこには、同じく酒井さんの光の切り絵の世界、四季の豊かな色彩と美しい花々が咲き乱れています。

と、その時、サキタさんが指揮するオーケストラの音楽が突然鳴り響き、おもむろに舞台の幕が開き始めます。
登場するのは、観客席。
そこに大きな大きな影絵を投射するので、立体感が増幅され、また、天井も限りなく広く高くなっているので、太陽も月も、本当に眺めているような感覚になります。
(そのような中で、私のデジタル復元「日月山水図屏風」がシンボリックに使われています)

そしてフィナーレに向けて、松は踊り、大地は揺らぎ…。

https://www.youtube.com/watch?v=lP22NF7Kk88

そして、その神々しいお姿に、度肝を抜かれ…。
https://www.youtube.com/watch?v=SAmoDczbkw0&t=35s

ここでは、本当の迫力の100分の1も伝えられていませんが、実は、まだこの迫力を体験していただく機会があります。
今回のイベントが大好評につき、来年の1月16日(土)、17日(日)の二日間、なんと本物を所蔵する天野山金剛寺にて、「金剛寺音絵巻」と題してイベントが開催されます。

この記事を読んで、体感したい!と思った方、ぜひ、金剛寺へお越しください!

日月四季山水図の波動

正に波動なのである。絵柄もそうだが、この作品に関わってからと言うもの、ご縁の波動が止まらない。人を動かさないではいられないうねりが、ご縁となって数珠つなぎとなっている。

このイベントも、ホントそんな感じであれよあれよと流されて、サキタハヂメさんのところに流れ着いた。もともとは、mbsの村田元さんのご縁で関西の情報番組「ちちんぷいぷい」で賞道が紹介されたのがきっかけ。同じ「ちちんぷいぷい」の番組内で、賞道の後にサキタハヂメさんが登場したのだが、そうだとしても、2人が結びつくはずもなかった。たまたま、復元した例として日月山水図屏風がスタジオモニターに小さく表示(画面右上)され、サキタさんが毎年開いていた「奥河内音絵巻」のテーマで今度は日月山水図屏風を取り上げようとしていたため、その偶然に驚いて飛びついてくれたのだ。

こんなご縁てあるだろうか。今年の「奥河内音絵巻vol.6」は国宝「日月四季山水図屏風」(最近は四季がつくらしい)の絵の中に入り込む、幻想的なイベント。光切り絵作家の酒井敦美さんが、所蔵する金剛寺のお膝元、河内長野のラブリーホールを煌めく幻想の世界へ誘うという。で、私の「原色復元・日月四季山水図屏風」は、印象的な場所に、会のシンボルとして使われる…はず。

日にちは9月12日(土)と13(日)の2日間。音楽や踊りもあるイベントなのだが、展覧会のように、会場をゆったりとめぐる構成になっており、いつ訪れても大丈夫。(そのプレイベントとして、「国宝(日月四季山水図)をべたべた触ろう!」が、8月23日(日)に開催されます。小学生とその親対象で先着50名。もちろん、べたべた触る前にはしっかりとコロナ対策を行い、万全を期します。立ったり座ったり巡ったり。主に視線でべたべた触るという感じです。こちらにも是非お越し下さい!)

いやあ、ホントに凄いご縁の波動。実は、これくらいのご縁がもっとあって、それはそれで凄いことになりそうなのだか、うまく結実としてもかなり先の話。成功が見えてきたら、ご披露しようと思う。


【緊急寄稿】昔の対処法に学ぶ

 新型コロナウィルスの蔓延で、世界中が大変なことになっている。毎日の行動が制限され、店頭からはトイレットペーパーや備蓄品が消え、株価が暴落…。私たちの世代では今まで体験したことのない事態に、世界が不安な毎日を過ごしている。
 それでも情報化社会である。原因は新型コロナウィルスと判明し、刻々とその広がりがニュースで流れ、その対策が打ち出され、なんとか対処しようとしている。ワケが分かっているのとそうでないのとでは、心の持ちよう、覚悟が違ってくる。それだけでもいい方に考えたい。

 昔は、ウィルスなどと言う存在は知られるはずもなく、ワケも分からず疫病に倒れ、死んでいくことに、なんらかの理由を求めた。それが前回の絵巻物「祇園御霊会」でご紹介した通り、「荒ぶる神様がお怒りになっている」ということなのである。その神のお気持ちを鎮めるために、舞などを奉納する祭りを敢行する。科学的ではないが、精神衛生上では、立派な対処法である。祭りによって生きる力を復活させ、困難な現状に立ち向かい対処しているのだ。
 ちなみに、その対処法が科学的に正しいかどうかの話ではない。未知の災難に対して、どう気持ちを鼓舞して戦い続けるか、あるいは希望を捨てずに生き続けるか、精神衛生上の話である

 このように疫病というものは昔の人にとってはより厄介なもので、目の前に起こっている余りにも厳しい現実をどうにかして理解しようとしていた。それが絵物語のようになったとして、今の私たちがどうして笑い飛ばすことができるだろう。

 いい作例がある。「辟邪絵(へきじゃえ)」と言う。まるでウルトラマンの怪獣図鑑のように、グロテスクな伝説のキャラクターが紹介されている絵巻物である。このキャラクターは、どれも正義の味方である。ご覧いただいているのは、「天刑星(てんけいせい)、疫鬼を食らう」という題名。
 天刑星は、紫微斗数(しびとすう)という中国の星を使った占いに登場し、孤独を象徴するとされる一方で、医学も司るとされている。

 善神の天刑星は、人々を疫病で苦しめている牛頭天王(ごずてんのう)をむんずとつかんで食らおうとしている。宙ぶらりんとなっているのが牛頭天王である。この牛頭天王が実は祇園祭での主役、夏になると今日の人々を苦しめている疫病の張本人なのである。

 牛頭天王の分かりにくい顔を復元してみた。なんとも情けない顔が出てきた。疫病が、徹底的にこらしめられている様子を、私たちはばかばかしい絵空事のように見るだろうか。当時の人々の、疫病をやっつけたい気持ちは、今正に私たちの心情である。

 その後、牛頭天王は、不思議な展開を遂げる。疫病をもたらす厄介者だった牛頭天王が、なぜかいい神として人々の信仰を集め、大きく浸透していったのである。その発展の中で、牛頭天王は素戔嗚尊(すさのおのみこと)と同一視され、さらに発展していく。
 疫病がついに人々を支配してしまったということだろうか。そんなことが、あってはならない、と、今はそれだけ祈るばかりである。

エンタメ性高し!

少し前のことになってしまいますが、MBS一階ロビーにありますちゃやまちプラザにて、「水曜トークショー」をして参りました。日ごろは真面目なお話をしておりますが(かと言って、時に笑いもある楽しい内容です)、今回は特に「日本美術はエンターテインメントになるか」を目標に、思いっきり楽しんでいただくことに集中しました。

会場の様子。ぺちゃくちゃとトークするので、くちびるのソファです。

内容は、山越阿弥陀図屏風と地獄草紙を組み合わせて、「極楽から地獄へ一気にめぐってみよう」というもの。でも実際は、初め地獄草紙を紹介して山越阿弥陀を鑑賞し、また地獄へ落ちていただくという、ジェットコースターでも味わえない急展開の90分なのでした。

そもそもこのトークショーにお誘い下さったのが、MBSのムラゲン(村田元)さんで、この時の聞き手もして下さいました。聞き手というよりも、もう漫才の相方ですね。なじみのない世界のお話なのに、ぐいぐい食い込んできて、巧みに来てる方へ分かるようなトスを上げる。で、そのボールを皆さんが気持ちよく受け取ろうとする寸前で、私がスパイクする。で、笑いが起こる。

左がムラゲンさん。ラジオのパーソナリティもやってしまう、MB Sの顔です。

見返り阿弥陀のお話をしているときに、とっさにタクシーの運転手が浮かんだのは、ムラゲンさんとのこのような丁々発止があったからこそ。あ〜、今思い出しても笑っていまいます。詳しい内容は、昨日MBSの水曜トークショーサイトhttps://www.mbs.jp/plaza/talkshow/index.shtml
にアップされました、「過去のトークショー配信」からどうぞ。

地獄は地獄草紙。最後に、地獄へ引き摺り込む仕掛けをご披露。

やはり日本美術はエンタメになり得ます。不完全な人間が、一所懸命やってできたものですから、そこには人情があったり、突っ込みどころあったりするわけです。干からびた残骸を大切に崇めていてばかりでは、作品は語ってきてくれません。作品に宿る人間味を、これからも掘り起こして、皆さまに紹介して参ります。

おお、阿弥陀さまが、やってくる!

もう次回の企画も始動します。内容は、まだ内緒です。でも、面白くないわけがない!季節ごとにできるといいですね、どうぞお楽しみに。

笑い声の絶えない会場。ライブでもあり、サロンでもあり。

子供も楽しめる日本美術

賞道の可能性のひとつとして、子供への美術教育の新しいスタイルを提供できることが挙げられます。その部分に特化したものとして、分かりやすいタイトル「国宝をべたべたさわろう!」として、昨年から展開してきました。(このタイトルは、それ以前から使ってましたが)

第2回目の「国宝をべたべたさわろう!」は、中央区立泰明小学校にて行われました。銀座にあるとても有名な小学校で、100組近い小学生と親のご参加と、子供スタッフ20名、大学生のアルバイト、そしてもちろん私とキッズMのメンバーで、総勢200名を近い人数が会場の体育館に来場し、大いに賑わいました。

しっかし、この風景はすごい。銀座にある泰明小学校、講堂のそで裏にある物置部屋から。でも、一歩校庭に入るとそこは確かに小学校。でも、見上げると大都会。でもでも…。そこには空間の歪みがあって、くらくらします。

当日は、NHKと産経新聞からの取材、そして中央区区議会議員の佐藤先生もお越しになり、賞道の注目度が上がっていることを確信しました。中央区教育委員会に後援していただくこと自体が、その可能性について、何か実感を持って伝わっていっている手応えがあります。やはり、賞道には、何かあります。

NHKは実は海外放送向けのコンテンツとして配信されました。
以下のURLで英語ではありますが、後ろから日本語が聞こえますので、だいたいの内容はお分かりいただけるかと思います。
(1か月くらいの範囲でご覧いただけるそうです)
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/videos/20191206180552314/

今回は各作品の鑑賞を子供スタッフにお願いして、私はバックアップに努めました。最初はうまくいくか心配でしたが、最高でした。親子、というのがポイントでした。というのも、多少たどたどしい説明も、子を持つ親は応援の気持ちもあって、真剣にかつ暖かく見守ってくれたのです。これはやってみないと分からないことでした。

もちろんこのコンテンツ自体が、子供から大人まで楽しめるということがあってのこと。紙や絹や劣化しやすい素材の多い日本美術は、海外比べて触れて楽しむ鑑賞「ハンズオン展示」が立ち遅れていることが問題になってますが、正にその解答を示す「賞道」、その有効性とエンタメ性を確認する絶好の機会となりました。

八幡、博多、大盛況でした

毎年恒例になりました八幡(北九州)と博多での「知れば知るほど面白い 日本美術の秘密」は、このタイトルを掲げて4回目を迎えました。題材は、二年前からその体感が話題になって、奈良でも好評を博した「高松塚古墳壁画」です。令和の時代を迎え万葉の時代が注目されておりますが、正にその文化そのものの飛鳥美人ですから、グッドタイミングなのです。

今回は、私の個人的な感想として、面白いことがありました。八幡と博多で逆転現象が起こっていたのです。

今回のチラシ、ポスターのデザイン。いつもかっこよくしていただいて感激です。

初めは「賞道ってなに?小林ってだれ?」ということで、思いっきり疑心と不安しかなかったところで、八幡の方々はそれこそ私にも作品にも恐る恐るという感じでした。一方博多では、そこは観山荘というブランドとお酒もいただきながらの極上のお食事付きですから、距離感が違うのです。

なので、初回の印象は八幡が「ちょっと戸惑い」があって、博多は「気持ちよく知的好奇心が満たされた」感があったのでした。

今回も八幡の会場は永明寺。やっぱり荘厳な雰囲気と日本美術はマッチします。(今回は単なる黒い大きな箱ですけど…)

で、今回はどうだったか。4回ともなると、私がどんな語り口でどんな世界に誘うか知ってますから、来る方も準備ができています。八幡の方々は、私がちょっとややこしい話をしても、その雰囲気を楽しんで下さいます。なので今回は万葉集の歌も持ち出して、多重的に飛鳥時代を楽しんでいただきました。初回の戸惑いから、4回目にして自分から積極的に賞道の世界に入ってくるようになって下さいました。

こんな感じで、リラックスした雰囲気で楽しんでもらえる環境が整ってきました。

一方の博多は観山荘で豪華なお食事も大いに楽しんでいただきますし、今回は作品にお一人お一人横になって体感していただきますから、なかなか多重的に深いお話する時間がございません。そこで、お食事中に皆さんが入れ替わり立ち替わりいらして、古墳体験をしていただくときに、それぞれに軽いエピソードを繰り返しお話しして雰囲気を楽しんで頂くことに徹底しました。

どうですか、この雰囲気。これで美味しいお料理をいただくわけですから、お勉強とはなりません。

初めはどちらかというと、伝えることをシンプルにしていたのが八幡の方だったのですが、今回は、博多の方がシンプルになってきた、ということなのでした。もちろん伝えるポイントは、どちらも外しません。どちらも楽しい「賞道」です。伝える側も臨機応変な対応が求められる、だから「道」なのですなぁ。

いつも体感していただく時は、「いってらっしゃ〜い!」と送り出します。

飛鳥美人と対話しませんか?

好評で終わりました前回の「賞道のすすめ 祇園御霊会」の回、「ちちんぷいぷい」に取材していただいた様子も放送され、すでに反響をいただいております。

その放送でもご案内しましたが、9月21日(土)、22日(日)、23日(祝)の三日間、会場は同じホテルサンルート奈良にて、「賞道のすすめ 高松塚古墳壁画」の回を開催いたします。

体感を通して日本文化の神髄を味わう「賞道」、今度はいよいよ高松塚古墳の中に横たわっていただきます!

もともと、この「高松塚古墳に横たわってみたい!」と初めにおっしゃったのは、実はあの、いとうせいこうさん。

私が企画、解説をしたWOWOW「美術のゲノム」という番組で、いとうせいこうさんはパーソナリティーとして出演していたのですが、私が「次は何を体感したいですか?」と聞いた時に、「高松塚古墳の中で寝てみたいねぇ」とおっしゃったのがきっかけだったのです。

その後、高松塚古墳に何度か横たわっているうちに、ある飛鳥美人と視線が合うことに気が付きました。
そこに何か秘密があるに違いない、ということから埋葬者とその美人との関係にせまるスリリングな内容をNHK「歴史秘話 ヒストリア」でご紹介しました。

私が何をお伝えしたいかお分かりいただけますでしょうか?
現代の天才が魅了され、体感することでしか分からなかったストーリーが全国に流された、という事実。
どれだけ魅力あふれるコンテンツか、実際に体験しに来て、あなたの目で、体で、確かめてみて下さい。

お申し込みは、
https://www.facebook.com/events/374977060071024/
のイベントページから、「チケット」をクリックすると、お申込みフォームに飛びますので、そちらからどうぞ。
分からない場合は、
taizo@kobabi.com
へ直接メールいただいて、お名前、連絡先、参加日、参加人数などを明記の上お申し込みください。

奈良の賞道は、やはり深い。

約1年ぶりに奈良にて、「賞道のすすめ」を開催しました。
会場は、猿沢の池からほど近いホテルサンルート奈良です。こちらには、社長の中野さんをはじめ、スタッフの皆様に本当にお世話になって、お陰様で充実した内容となりました。
いらした方、ホテルの皆様、改めて御礼を申し上げます。

会場のホテルサンルート奈良

今回のお宝は「年中行事絵巻 祇園御霊会」。いわば「テッパン絵巻物」です。
例のごとく、みな様にくるくるしていただこうというわけですが、ここは奈良の地でやりますので、どうせなら一工夫してみたいということで、「祇園御霊会(今の祇園祭)」と奈良の春日大社で12月に行われる春日若宮の「おん祭り」を比較しながら、お話を進めてみました。

この二つの祭りと「祇園御霊会」の関係性って、とても面白いのです。
まずは9世紀にはじまったのは祇園御霊会の方でした。そして、12世紀におん祭りが始まるのですが、それとほぼ同時期に「年中行事絵巻 祇園御霊会」が描かれています。

絵巻物に描かれる祭りの様子は、今の祇園祭の姿とは異なっています。というのも、今のような山鉾の大きな山車が街を巡行するようになるのは室町時代からとされ、「年中行事絵巻 祇園御霊会」には山車が登場しない「祭りの原型」が残されているのです。
そしてさらに注目するべきことは、その様子が、今のおん祭りとそっくりなのです。

デジタル復元した「年中行事絵巻 祇園御霊会」

デジタル復元した「年中行事絵巻 祇園御霊会」には、祇園社(今の八坂神社)から祭神を神輿にお乗せして、御旅所までお連れする行列が描かれています。その行列には、田楽、巫女、散手(雅楽)、獅子舞と続き、最後に神輿が登場するという順序になっています。
これをくるくる手で繰り出すと、目の前を行列が通り過ぎていく、観客の目線になるしかけなっていて、その目線を楽しむことがこの作品の醍醐味です。

「おん祭り」も実は、お渡り式という、祭神を御旅所でおもてなしをする者たちが行列をなして行進する儀式があり、それが絵巻物そっくりなのです。つまり、絵巻物の世界が、現実に飛び出したように目の前で展開されるのですから、私はなんとも不思議な感覚になりました。

例えば田楽。太鼓の模様から高足に至るまでそっくり

「おん祭り」は始まった当初から現代に至るまで途絶えることなく続けられているという話ですが、さすがこの900年の間に、変化というものがあるだろうと想像していました。しかし、図らずも変わらずにしっかりと伝えられているということを別の祭りの絵巻物が証明していることに、驚きを感じます。

さらに驚いたこと、発見がございました。今回、本当に「おん祭り」と比較して本当によかったと思いました。
というのも、下の図、田楽の次に登場するこの騎馬の男たちのことを、私はずっと行列を警備する者たちと思っていたのです。しかし、それはおそらく競馬をする者たちであろうことが分かったのです。

実はおん祭りのお渡り式の行列の中に、同じような格好をした騎馬の男たちが登場し、それが競馬の競技者たちだったことから気づきました。

ホームページ「奈良大和路~悠~遊~」より
http://pinbokejun.blog93.fc2.com/blog-entry-611.html

私は不思議でならなかったのです。
田楽、巫女、獅子舞と演目が続く中、なぜ突然、芸能に関係ない警備が登場するのだろう、と思っていました。でも、この騎馬の男たちも演目のひとつであることが分かり、すっきりしました。

ということは、彼らが着ている装束は統一している可能性は低く、色を変えなければならないことが分かりました。
こういう宿題はむしろ大歓迎です。

奈良で開く賞道では、歴史の深さが導く大きな驚きと発見があります。
本当に、導かれている感覚がするのです。

当日、毎日放送の「ちちんぷいぷい」の取材がございました。賞道の面白さ、驚きをお話ししましたのでOAを見ていただければと思います。
今のところ、恐らく9月12日(木)13:55~の放送かと思います。
よろしかったら、ご覧ください。

次回の9月21日(土)~23日(祝)3日連続で同じくホテルサンルート奈良にて開催されます、「賞道のすすめ 高松塚古墳」の告知も番組ではあるかと思います。
あわせてご覧いただき、よろしかったら「飛鳥美人と視線を交わす異空間」を体感しにぜひお越しくださいませ。

奈良にて関西賞道、再開!

大変お待たせいたしました。
前回の「賞道のこころ」から約半年が経ってしまいましたが、いよいよ関西にて「賞道のすすめ」を再開いたします。

会場は、ホテルサンルート奈良。
興福寺や猿沢の池近くで、このイベント前後に観光も楽しんでいただける、好立地です。酷暑の中、盆地の奈良を散策するのは大変ですが、一番暑いこの時間に冷房のきいた室内で楽しんでいただくのもいいのではないでしょうか。

今回ご案内するのは、「年中行事絵巻 祇園御霊会」。
今も続いている京都の祇園祭。その原型をとどめている貴重な史料として伝わってきているこの絵巻物は、今はスケッチしか伝わっていません。
それをデジタル復元で制作された当時の「鮮烈な色彩」に戻し、当時と同じように「くるくる手で触りながら鑑賞」します。

きっとそうすると奈良の方々なら気が付くはずです。
その様子は、春日若宮の「おん祭り」の様子とそっくりなのを。
そんな体感をしながら、昔の祭りに対する人々の祈りを体験してみませんか。

以下のURLに申込みフォームをご用意いたしました。こちらからもお申込みいただけます。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScW0bOOy-HQfc64kAuzMFeiZWfXatXFRqbjOutujBmUaDpbuw/viewform?usp=pp_url