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先日2月23日神楽サロンにて、「春季・賞道のすすめ」の第二回目が開かれました。テーマは「絵巻物」。

前回に増して、熱気むんむんです。
一週間前には定員を超える予約が入り、結局定員より7名も多いお客様にお越しいただきました。さすがにここまでとは予想しておりませんで、正に嬉しい悲鳴です。

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ご用意した絵巻物は二つ。
ひとつは「地獄草紙」です。これは何度か鑑賞法を含めご披露したので、ご存知の方も多いはず。
でも改めてこうして見ても、そして何回見ても、気味わるいものですね〜。(この場合、大したものだ、という褒め言葉になります)
闇から立ち現れる地獄絵図……。私自身、今のホラームービーに例えることもありましたが、相手を怖がらせようとド派手に演出したものより、本当に死が隣にあった時代の実感のともなった気味わるい怖さは異質のものですし、やはりこうしないと味わえません。
つまりは何度見ても、飽きないのです。

今回、一本だけ、太い和蝋燭を用意しました。
その明るさに驚きました。そして炎の大きさにも。ジョルジュ・ラトゥールの絵画に見るような炎です。
ただ、あれは地獄草紙向けではないかな……。いよいよ、和蝋燭にも注文つけるレベルになって参りました(^_^;)

次に鑑賞したのは「平治物語絵巻」。
詳しくは「六波羅合戦巻」といいます。実は「平治物語絵巻」は、現代に「三条殿夜討巻」「信西巻」「六波羅行幸巻」が伝えられていますが、今回取り上げた「六波羅合戦巻」は、スケッチと切り刻まれた断簡しか伝わってません。つまり、デジタル復元した私の作品です。

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復元の様子を説明して、「さあ、こうなりました」とご覧の画像をお見せした時、”おお〜!!”とどよめきが起きました。
あ、そうだった、私はデジタル復元師だった、ということを思い出しました。
最近は、賞道主宰として日本美術の本当の鑑賞を紹介するの頭がいっぱいだったのですが、このアプローチも忘れてはいけませんね。

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いよいよ鑑賞します。
ここでゲストにご登場いただきます。金春流の能楽師・政木哲司さん。
私はかねてから、描かれた平治の世は、「梁塵秘抄(りようじんひしょう)」、つまりは今様という民衆の歌謡曲が巷に満ち溢れていたと考えていました。
そして「梁塵」梁にある塵もふるえたという意味から、そして今様にハマった後白河上皇(平治物語絵巻にも登場します)がノドを三度もつぶしたということから、かなり強靭に喉を使い鳴り響かせる歌い方だと思ったのです。

喉を強靭に震わせる、正に能の謡だと思いました。さらに金春流は、能の流派の中でも最も伝統があり、その起源は奈良時代、そらには飛鳥時代とも言われるほどです。
もしかしたら、平安時代の雰囲気も、多少残っているかもしれない、ということからお願いしました。

で、どうだったか……。
素晴らしかった。もう、最高でした。
憂いも憐れも感じさせる音に包まれ、目では、合戦の中必死に生きようとする人間のもがき苦しみを辿って行きます。
ある方の感想です。
「赤い旗の行方の画とお能の調べの融合は、人間の生臭さといいますか?内なる悲しみの声が浮き上がってくるように思えて自分まで悲しく怖い体験をしました」

怖い体験。私もあったかい感情の奥底には「怖さ」があったように思います。

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今回のお菓子です。
絵巻物なので、紙を巻いた形です。
蝶は平氏の印、紫は平家納経を意識して表しています。
さすが田邊先生、お見立てが幾重にも織り成し、おもてなしの心が伝わって参ります。

次回は3月29日(火)19時より同じく神楽サロンにて。
テーマは「屏風」です。
かなり早いペースで予約が終了することが予想されます。ご参加希望の方は、お早めに、
「春季・賞道のすすめ」応募フォームへリンク
よりお申込み下さい。

次回の賞道にて、お待ち申し上げております。

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