色あせた日本美術や白黒写真画像&映像をキレイにしたり、加工したり、カラー化したり。レタッチ技術で、ライフスタイルをもっと楽しく、美しく。

ちょっと前になりますが、1月21日、千葉県の医療財団法人「明生会」の新年祝賀会にて、講演をして参りました。お客様をお迎えする祝賀会の前の、明生会グループの勉強会でしたが、それでも200名くらいいらっしゃったので、なかなかの壮観。



場所はホテルニューオータニ幕張の大広間。高校で700名を前にお話ししたことはありましたが、豪華な会場で着飾った大人200名は、また別の迫力がありました。



さらにいつもと勝手が違うのは、巨大スクリーンにカメラからの映像が映し出されること。さすが盛大な結婚式も行われるホテルです、専属のカメラマン(動画の)もいて、屏風に近づいて効果的な映像をスクリーンに映し出すわけです。これなら大人数でも屏風の前で座って見上げる視線で、鑑賞できます。
いつも30人が限界だった賞道の体感は、こういう形で大人数にもアピールできるのですね。思ってはいましたが、図らずも今回実現できて、大変いい経験になりました。




今回、クラウドファンディングの達成で作った「花下遊楽図屏風 右隻」とそこに描かれた貴婦人が羽織っている打掛を実際の着物に復元した「綸子地藤文様刺繍小袖」を持参して、本当の日本美術の面白さをお話ししました。
ただ、暗闇の中ではカメラも上手く機能しないので、いや、正確に申しますと、カメラが上手く機能しすぎて、暗い中でも明るく映し出すために「暗い中で徐々に立ち現れる美しさ」は、実際に見ないと分かりません。



その問題をクリアするために、身長150㎝くらいの女性にご協力いただいて、打掛を羽織って舞台の中央に立っていただきました。そして、会場の灯りを最大限暗くして、電気スタンド一本でその立ち姿を浮かび上がらせます。(その時の様子は、女性のプライバシー保護のため、掲載できません)
着物は淀殿が羽織っていたとするものです。会場を大阪城の大広間に見立てれば、遠く遠く奥にいる淀殿の立ち姿がいかなる視覚効果があったかを、これもそのまま大勢の方々に見ていただくことができます。
スクリーンに映し出さずとも、「陰翳礼讃」の体感もしていただけたことで、また一ついい経験ができました。

と申しましても気になるのが、聞いていただい方々が医療に携わっているということ。美術に興味があって聞きに来た、あるいは友達に勧められて来た、とはちょっと事情が違います。例年はやはり医療に関する専門家が登壇され、担当スタッフからも「相当今年は変わっている」と言われていましたので…
皆さまどう感想を持たれたかが、非常に気になりました。



でも私にできることは、伝わることを信じて、とにかく一所懸命語り掛け続けることです。少なくても自分は後悔したくないですから。
でも、終わった後にわざわざ感想を伝えて下さる方もいらっしゃって、

「眠くなると心配していましたが、熱中して最後まで聞いていました」
「見方がガラッと変わって目からウロコでした」

などお話下さいました。
スタッフの方々も

「ときどき動きがあってよかった」
「先生は、(大人数でも)慣れていらっしゃるのですね」

と客観的な意見も好評だったので、一安心しました。
多分、リップサービスもあるでしょう。でも、後日メールでいただいた感想で、今回の成功を確信しました。



「賞道の考え方に非常に感銘を受けました。
我々医療従事者も見習うべき点が多々あると感じました。

我々は、患者さんに対し、常に医療従事者側からみた 患者像をとらえてしまいがちで
まさに、対象を ガラス越しに、展示された状態で とらえていることと同義と感じました。
先生のおっしゃるように、患者さんの訴えを 生で感じるためには
患者さんから見える風景や景色や色使いに着目すべきと思います。」

ちゃんとメッセージを受け取って下さっている。「賞道のこころ」を感じ取っていただいている。
涙が出てきました。
そうなのです。賞道は「鑑賞する」ことではないのです。物事への接し方、さらには生き方なのです。
今回は、本当に賞道の可能性を強く感じさせる、貴重な経験でした。



今年は「賞道のこころ」を伝える活動も開始したいと思い、すでに告知している賞道開催に関するスケジュールがずれ込んでおります。お詫び申し上げます。
もう少しで、新しいスケジュールを公開しますので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。
何卒、よろしくお願い申し上げます。