色あせた日本美術や白黒写真画像&映像をキレイにしたり、加工したり、カラー化したり。レタッチ技術で、ライフスタイルをもっと楽しく、美しく。

ついに始まりました東京二年目の「賞道のすすめ」。初回は「掛け軸」でした。
ちょうど一年前の春季の「掛け軸」で宿題を残し、秋季の「掛け軸」でやっと「賞道的鑑賞」を示すことができた、という曰くつきのテーマです。




今回は、肖像画としての掛け軸、つまりは仏様や高僧などが描かれた掛け軸にこだわってみました。
というのも、それは風景画とはずいぶんと違うからです。
風景画は山のシルエットの遠景、家や川などが見える中景、そして歩く人物や田畑が広がる近景が、少しずれながら重なり合うように描かれ、下から見上げることでそのレイヤーと奥行き感を楽しむところにありました。




しかし肖像画の掛け軸は、基本レイヤーはひとつです。人物がひとり、そこにいるだけです。
これをどう、賞道的に鑑賞すればいいのでしょうか。





そこで、私が実践して見せます。
まず紐を解いて、端をひらき、矢筈(やはず)というひっかけ棒にかけて…
一連の動きは風景画の掛け軸と同じ。この掛ける行為が大切なので、賞道に来た方にはできるだけ体感してもらいます。
で、参加者皆さんに体感していただきたく、私は急いで、

スルスルスル!

とやってしまったのです。




でも参加者の一人が、実践していただくときに、ゆっくり、じわり、そろり… と画面を出しました。
その様子を見て常連の参加者(賞道を完全に理解された方)が、
「あ、それだ! ゆっくりだと、すごくいい!」





なるほど! 私も気が付きました。
確かに、そろりそろりと頭から姿を現す黄不動は、その威光を強めていきます。スキャナーが上から下へと光っていく… そんな感じもあるかもしれません。
さらにこんな意見も。

「髪の青、鋭い視線、黄色い身体、緑(裙の裏地)、赤(裙)… 上からどんどん色が展開しています」

色が手元から次々と飛び出してくる!
そんな掛け軸の楽しみ方って、あったでしょうか。私は感動してしまいました。
これはまさしくデジタル復元で色を復元しない限りできなかったこと。現代で体感した人はいなかったことでしょう。





それにしても参加者たちの鋭い意見です。
「触って、体感する」ことにおいて、先輩も後輩もありません。それぞれ感じたままに任せる。
これが賞道です。

だから私が偉いとか、先生とかではありません。
実は場所と機会を提供するだけなのです。
ですから、ホント、お気軽にご参加ください。楽しいことしかありませんので。(^^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA