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今年が非常に充実したのは、「賞道」のためだけではありません。
築地社会教育会館でのワークショップ、中日文化センターでの講座などたくさんありますが、特にもう一つ大きかったのは、世界最大級の寺社フェス「向源」との関わりが、より一層深まったからだと言えます。




去年の夏に「国宝をべたべた触ろう」が始まり、地獄草紙をロウソク一本で鑑賞しました。場所は向源の副代表・青江覚峰さんの浅草・緑泉寺。その成功を受けて、本格的にイベント「向源」に参加したのがゴールデンウィークです。
地獄草紙に加えて、山越阿弥陀図屏風を体感しました。つまり、極楽と地獄です。





あまりにも反響が大きかったので、山越阿弥陀図屏風を本格的に、雅楽の演奏もプラスして鑑賞しようという「国宝をべたべた触ろう part2」が7月。ほぼ 同内容を2回行なったのですが、どちらも満員で大成功でしたした。





そして今回、「国宝をべたべた触ろう part3」は、「年中行事絵巻 祇園御霊会」を題材に。
あれ、それは「賞道のすすめ」でやったじゃない?という声も聞こえそうですが、今回は「暗闇ごはん」で有名な料理僧・青江さんの緑泉寺で行うチャンスを活かすべく、ご協力いただきながら「田楽」にこだわりました。









ポーン!




宙に高く投げられた鼓。
絵巻の巻頭、いきなり田楽の舞から始まります。
田楽は昔農作業の際に演じられてきた、庶民的な芸能です。庶民が楽しむ傾向が強まって、演技はどんどんアクロバティック、そして大げさになっていきます。




手前、大きな櫛のように見える楽器は「びんざさら」といいます。
木の編を紐でしっかりと結び長くつなぎあわせたものを、両手のスナップをきかせて
じゃっ、じゃっ、
と鳴らすのです。
これがけっこう、耳にいい音がするのです。





視覚だけでなく五感で感じることの大切さをお伝えする「賞道」ですから、この「びんざさら」の音を、いや、田楽の舞そのものを感じてもらわなければなりません。




で、どうしたか…
舞を披露したわけです。




誰が?
…私が…(^^;








まず、びんざさらを購入。
なんて気軽に言ってしまいましたが、実は……笑っちゃうほど手軽でした。
なんと、購入した店が、会場・緑泉寺のすぐそばの「宮沢卯之助商店」。
まるで、スーパーで大根を買うくらいの手軽さでした。




そして、you tube で「五箇山 びんざさら舞」の映像を見ながらひたすら練習。
見た目はカンタンなのですが、足の運び方が時々変わって、二人舞のときそのフォーメーションが変化するのが難しい。
ま、今回は私一人なので足の運びは基本にとどめ、上半身の動きを体に覚えさせることに努めました。
この数週間、きっと近所の方々、あの家は変な音立てて何やってんだろう…って思ってたでしょうね。





でも実際踊らないと分からないこと、あります。
グッと腰を下げ、股関節を開き、横にシフトする動きがあるのですが、これ、田植えの動きとそっくりです。
動きの記憶が祭りの舞に残っているなら、それは面白いことです。




田楽の集団の端に、棒を持っている丸頭の一員がいます。持っているのは、高足と言われる演目の道具です。
棒の両サイドに横板があって、両足をそれに乗せて、今のホッピングのようにぴょんぴょん跳ねるのです。
両足を地面から離し、棒一本で立つ姿は、豆腐に棒を刺して甘辛い味噌を乗せた食べ物と形が似ていることから、その食べ物が「田楽」と言われるようになりました。





デジタル復元した絵巻物を皆さんで繰り出しながら、私は次から次へと登場する演目や面白い装束を着た人々を解説しました。時には関係した画像や映像をお見せして。




一通り絵巻物解説が終わると、場所を移動して、青江さんが用意して下さった「田楽」と「おでん」をいただきます。
もちろん青江さんの楽しい解説付きです。
カンのいい方は気がついたかもしれませんが、「おでん」の「でん」は「でんがく」の「でん」なんです。豆腐から茄子などの野菜に展開した「でんがく」が、煮物にまで変貌を遂げるなんて、実に面白いですね。
そう言えば、ハタ坊の持っている「おでん」こそ、由緒正しい足つきの「おでん🍢」ですね。









祭りからおでんまで、目くるめく「田楽」巡るタイムトリップ、参加していただいた皆様に、大いに楽しんでいただけたようです。




今度私も「おでんトリップしてみたい!」という方は、お知らせ下さい。その反響によって、またやるかどうか検討してみたいと思っています。

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