「東屋」は第三部の第五十帖にあたります。源氏物語絵巻には「東屋」の場面は二つあり、こちらは「東屋二」として知られています。
光源氏の息子・薫26歳の八月から九月のお話です。三条あたりに隠れ住む浮舟を訪ねた薫は、弁の尼が薫に会うように浮舟を説得するのを、縁側で静かに待っています。恋焦がれた亡き大君の異母姉妹の浮舟に、その姿を見て忘れられない薫は、翌日、浮舟を車に乗せて宇治に連れ戻すのでした。

「東屋」の源氏香マークは、最初に聞いた香と4番目と最後の香の三つが同じ、となります。
源氏香(げんじこう)は、香道の楽しみ方の一つである。源氏香の成立は享保の頃と考えられ、『源氏物語』を利用した組香である。(wikipedia)
- 「源氏香」では、5種の香木を各5包ずつ(計25包)用意する。
- 香元はこの25包を切り交ぜ、中から任意の5包をとってひとつを焚き、客に香炉を順にまわし、香を聞く。これを5回繰り返す。
- 香炉が5回まわり、すべての香が終了したあと、客は5つの香りの異同を紙に記す。この書き方こそが源氏香の特徴である。まず5本の縦線を書き、右から、同じ香りであったと思うものを横線でつないでいく。