「早蕨」は、第三部の四十八帖になります。
光源氏の息子・薫が25歳の初春のお話です。場面は、宇治にいた中君(なかのきみ)が、夫・匂宮(におうのみや)の通いやすい京の二条邸に越す準備の様を描きます。宇治にとどまる弁の尼との惜別に、涙する中君が印象的です。

「早蕨」の源氏香マークは、最初に聞いた香と3番目が同じ、4番目と最後の香が同じ、となります。
源氏香(げんじこう)は、香道の楽しみ方の一つである。源氏香の成立は享保の頃と考えられ、『源氏物語』を利用した組香である。(wikipedia)
- 「源氏香」では、5種の香木を各5包ずつ(計25包)用意する。
- 香元はこの25包を切り交ぜ、中から任意の5包をとってひとつを焚き、客に香炉を順にまわし、香を聞く。これを5回繰り返す。
- 香炉が5回まわり、すべての香が終了したあと、客は5つの香りの異同を紙に記す。この書き方こそが源氏香の特徴である。まず5本の縦線を書き、右から、同じ香りであったと思うものを横線でつないでいく。